今回はImpaktor紹介の最終回。レコーダー部分を解説する。
例によって、流れをまとめた動画もご覧頂きたい。
Impaktorのレコーダーは6つのトラックを装備している。
それぞれ別の音色を割り当てて、演奏を録音することができる。基本的にオーディオレコーダーなので録音後の音色変更はできないが、エフェクト(ディレイとリバーブ)はセンド仕様なので後で適用量を調整できる。各トラックはループさせながら重ねての録音が出来るので、やる気になれば6種類より多くのサウンドを使って曲に仕上げることも可能だ。
「基本的にオーディオレコーダー」と持って回った言い方をしたが、その理由は録音時にクオンタイズを適用して、プレイの微妙なヨレを補正できるためだ。
クオンタイズの値は2種類(16部音符と三連符)から選択できる。あまりプレイに自信が無くとも、タイトなリズムを作ることができる。むしろシーケンサーがあると細かくいじってしまってプレイ感が損なわれそうなので、丁度良い落とし所かもしれない。
各トラックは1拍〜8小節の範囲で長さを変更できる。
各トラックで長さを変更できるので、バラバラの長さで記録すれば、からみ合いの具合いで常に変化する複雑なパターンを作ることもできる。
それぞれのトラックへの記録と現在の演奏(要するに、現在鳴っている音全て)は、さらにまとめて2mixのオーディオファイルにミックスダウンできる。
ファイルとして保存する他に、ネット経由で送信したり、Audio copyを使って他の対応アプリにサウンドを移すこともできる。単なるお遊びアプリではなく、実用ツールとしての機能も申し分ない。
これだけの秀逸なアプリが、2014年1月現在たったの500円というのは、もちろんユーザーとしては嬉しいのだが、開発者は内容に見合った報酬が得られているのか大変心配になってしまう。個人的には、Impaktorと同じレベルの機能を備えたドラム音源があったら、数万円の値段でも喜んで購入すると思う(現に筆者は、Clavia NordDrmやKORG WAVEDRUMといった同傾向のハードウェアを所有している)。「頼むから、もっとお金払わせて!」といった心境だ。
BeepStreetのアプリは他にも秀逸なものがあるので、また稿を改めてご紹介することとしよう。