前回のシリーズ掲載後、なんと本家Moog MusicのFaceBookページに、このBlog用に作成したビデオがシェアされていた。
大変光栄なことで、この「僕の小規模な((c)福満しげゆき)Moog Modular」の手法を数多くの方に是非使って頂きたい!…が、実はちょっとだけ困った事がある。今回紹介するのは、moogerfoogerの蓋を開けて基板上のポッドを直接調整する内容なのだ。これを行うと保証もきかなくなるので怒られないかなあ…とちょっとビビっているのだが(^^;)絶対に必要な内容なので紹介しよう。
Moogシンセサイザーのオシレータは伝統的に、受信するCVが1ボルト上下すると、連動して音程が1オクターブ上下するという仕様になっている。この「V/Oct」方式は大半のアナログシンセで採用されており、今回の小規模Moog Modularで使っているMF-107のオシレータもこの仕様となっている。
しかし、買った直後の状態では微妙にスケールが狂っており、1オクターブ内でギリギリ許せる位、それを超えると明らかに気持ち悪いレベルで音程が狂ってしまっていたのだ。シンセの場合はこうした事がおきないように出荷時に調整されているはずだが、MF-107はエフェクターであるため、こうした部分があまり厳密に調整されていないのかもしれない。
しかし、多くの場合アナログシンセのオシレータにはこうしたズレを調整するポットが基板上などに設けられている。MF-107にもあるのでは?と思い中を開けてみた所、案の定それらしきものが存在したのだ。
念を押すと、今回の内容はやり方を誤ると高価なmoogerfoogerを壊してしまったり、感電する危険性なども存在する。方法自体は簡単だが、自信が無い人は電気に詳しい方などに相談してほしい。手順を行った事によるいかなる結果にも当方は責任を負いかねるのでご了承頂きたい。
moogerfoogerシリーズ底面のゴム足は、裏蓋の止めネジを兼用している。
全て外せば、比較的簡単に裏蓋を開けることができる。こちらがMF-107を開けた様子。
基板上には2つのポットがあり、そのうち左下の方がスケール調整用のポット。ドライバーで(力を入れずに)回すことで、CVに対応するピッチの変化スケールを調整できる。+-3オクターブしてもズレが無い(同じ音名の周波数が倍々(半分半分)になる)状態となれば実用上問題ないだろう。
次回はいよいよこのシリーズの最終回、moogerfoogerに足りない機能をMS-20miniで補うためのパッチングをご紹介しよう。