前の記事で書いたBEHRINGERと同じく、うちのスタジオにはKORG製品もハードからソフトまで数多い。最近のアナログ系だけみても
MS-20 miniはもちろん即座に購入(ちなみに上に乗っているのは、beatnic.jp製の「Log/Exp Amp」。「Hz/V」仕様であるKORGやYAMAHAのアナログシンセを、多数派の「Oct/V」のシーケンサーや鍵盤で正しい音程で演奏できる)。左上にちょろっとMicro KORGも見える。
MS-20 mini購入直後に習作として作ったのがコレ。
上のMS-20 mini動画に出てきたmonotronシリーズと、monotribeも。
monotronはこんなパフォーマンスにも使っている。
Volcaシリーズは、いつでもサッと使える状態でシステムの中に立ち上がっている。
…全部持ってた!!!
もちろん製品が魅力的なのもあるが、KORGのアナログ系シリーズにはどんどん盛り上がってほしいので、色々な所で使って少しでも後押ししたいという想いもある。
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この本でもVolcaとStudio Oneの連動について書いているので、よろしければ是非!
さて、 BEHRINGER同様、KORGもユーロラックモジュラー市場に参入して欲しい企業の筆頭の一つだ。Volcaシリーズなんて、サイズ的にユーロラックにピッタリハマりそう…と考えてたらついつい…
ちょっとヤッツケだが、こんな画像を作ってしまった(結構すんなりハマった)。だけどMS-20 Kitなんてものすごい変化球が来るぐらいだから、あながち出鱈目な夢想とも言い切れない。
電子楽器を作っているメーカーにとって、特にユーロラックサイズのモジュールというのは、大手・中小を問わず(メーカー、ユーザーの両方に)様々なベネフィットがある。軽くまとめてみよう。
●筐体を作る必要が無い
単体のハードウェアシンセは、当然ながら筐体が必要だ。汎用のケースなどを使わない限り、筐体には「金型」が必要だが、この製作費はかなり高額なので製造業にとってはリスクとなる。ユーロラックのモジュラーなら、正面のパネルだけで済むので、売上が芳しくない製品でもはるかにリスクは小さくなる。
●モジュールの組み合わせで簡単に製品(システム)が作れる
これはモジュラー自体の特性でもあるが、モジュールの組み合わせで様々なシステムが作れるので、新しい機能のモジュールと基本機能のモジュールをセットにして「新製品」として販売することもできる。新デザインの機能もモジュール版が先行して市場に出れば市場の反応などをチェックできるので、単体ハードを企画する上での良いテストとなる。
●電源を共通化でき、スペースも節約できる
ユーロラックは電源を共通で使えるので、セッティングもかなりスッキリする。上に載せた写真のVolcaシリーズも、わざわざオプションのACアダプターを3つも買った上に、タップ周りが非常に煩雑になっている(多くのテーブルトップ系機材共通の悩み)。機材が欲しくても、価格などより置き場所の問題で躊躇する場合も少なくないはずだ。ユーロラックなら、19インチラックサイズにするよりずっと柔軟なレイアウトが可能だ。
●購入機会を増やせる
モジュラーはギタリストがコンパクトエフェクターを増やすような感覚でモジュールを増やせるので、単価は下がるかもしれないが、気軽さから購入頻度が増えて、結果として電子楽器業界全体の活性化にもつながるはずだ。
例えばスマートフォン向けアプリの世界などは、アップルなどプラットフォームを握っている企業の手の中でビジネスをせざるを得ない。しかしユーロラックモジュラーの世界は「ゆるやかな共通」の中で成立しており、自由度があるかに高い(もしかしたら何らかの特許絡みなどはあるかもしれないが)。
KORGは完全なアナログモジュラー製品を出したことは無いので、個人的には是非とも今の流れからそうした方向が実現してほしい。そして、例えばROLANDからも「SYSTEM1000M」「SYSTEM7000」みたいなモノが出たらどれだけ刺激的か…(中身が完全アナログで無くてもOKなので)。