現代のモジュラーシンセのデファクトスタンダード的な規格になっている「ユーロラック(Eurorack)」。ケースの中に収められているモジュールは一つ一つがいわば独立した機器であり、電源のみを共有する形となっている(一部のモジュールはバスボード経由でCV/GATEなども共有)。
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接続自体は難しくないのだが、少しだけ注意点などが存在する。オークション等でモジュールやケースを手に入れて、接続がよくわからないという方のために基礎的な事を記しておこう。

各モジュールとケース側のバスボードには、電源供給のためのピンコネクタが設けられている。ピンコネクタは10ピンと16ピンのタイプがあり、モジュール側は製品やメーカーによって両者が混在している。
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モジュールとバスボードはフラットケーブルで接続する。両者のコネクタが異なる場合は、写真のような変換ケーブルを使用。また、一つのケーブル上に複数のコネクタが装備されたものも用いられる。
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接続における最大の注意点はケーブルとコネクタの向き。ケーブルには片側に色がつけられており、それが「下」になるよう接続するのが原則だ。
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バスボード上は、ケースと基盤が縦になる状態でケーブルの色側が下に来るように。
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モジュールも、パネルが縦になる状態でケーブルの色側が下に来るように接続。故障の原因となるので、間違わないよう注意しよう。
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また、結構やってしまいがちなのが、コネクタがずれて半分だけ挿してしまうミス。狭いケースの中の見えづらい部分で作業すると発生しがちなので、しっかり確認して接続しよう。
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また大原則として、通電した状態でコネクタや基盤を触ると感電の危険があるので、接続作業はコンセントを抜いた状態で行おう。また、電源OFFの直後もコンデンサ等に帯電している場合があるので、少し放置してからの方が安全だ。

ユーロラックモジュールの接続は決して難しくはないが、オーディオやPCのケーブル、ACアダプタなどの接続よりはある程度の慎重さが求められる。手順は下記の動画にもまとめたので、特にハードウェアに不慣れな方は是非参考にして頂きたい。